Midtown Report

ビジネスと人間に関する発見と考察 from Los Angeles & New York

カテゴリ: 葦編三絶

地元の本屋に行ってみると、本屋のランキングがあって、そこで3位になっている本を見て、驚きました。

残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)
著者:山崎将志
日本経済新聞出版社(2010-04-09)
おすすめ度:3.0
販売元:Amazon.co.jp
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山崎将志さんの本です。タイトルが極めて秀逸なので、つい手にとってしまいたくなります。調べて見ると、すでに20万部売れているベストセラー。山崎さんは、私が昔働いていたコンサルティング会社での上司でした。自分の元上司の本が、LAの日系の本屋でランキング入りしていたので、大変ビックリしたわけです。

もともと2001年頃、Eラーニングに関する社内セミナーを開催されていたのを、私が聴講しに行き、興味を持ったので、後日お会いしに行ってからはいろいろお世話いただき、ほんの短期間でしたがプロジェクトでもご一緒しました。私は、その時社内でのグループ異動を希望していたのですが、山崎さんのおかげでそれが実現したので、今でも大変感謝している会社時代の恩人の一人です。

本の内容は、ビジネスにおける「残念な人」の例。いろいろなビジネス理論や、事例から、残念な人・企業を語ったビジネスエッセイという感じです。

Amazonのレビューを見ると、辛口の評が目立ちますが、それらを書いている人は、ちょっと読み方を柔らかくした方がいいのではないかと思います。

この本は「読み方」が大事な本だと思うのです。残念な人の事例を読みながら、「ああ、自分もこんなことしてるな」とか「自分は全然自分が見えてなくて、本当に残念だな」と内省をするための鏡なのです。本を読み終わって、自分のあり方に関して一つでも反省点が出てくれば、それだけで読む価値があると思います。私などは恥ずかしいくらい反省点があるので、こういう本はつらいのですが、大きな学びがありました。

以下、山崎さんの処女作。
日本で出版されたEラーニングの本としては、先駆的な本です。

eラーニング―実践的スキルの習得技法eラーニング―実践的スキルの習得技法
著者:山崎 将志
ダイヤモンド社(2001-01)
おすすめ度:4.0
販売元:Amazon.co.jp
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ふと、古本屋に立ち寄って、2冊の本を手にしました。
第一冊目がこれ。

告白 (文春文庫)
告白 (文春文庫)
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この本、何気なく古本屋で手に取ったみたのですが、メチャクチャ面白いです。ちょっと数ページだけかじってみるはずが、喫茶店で一気に最後まで貪るように読んでしまいました。

大和銀行ニューヨーク支店巨額損失事件を引き起こした井口氏の告白です。この本、やたら文章が洗練されていたので、大学からアメリカ生活をしていて、その後銀行業務にどっぷり漬かっていた本人が本当に書いたのかな?と勘ぐってしまいました。全体の文章の構成(時系列的なコンテンツの配置)や事件の細部にわたる説明や所々に見られる「技あり」な比喩表現方法など、自分の目からするとあまりにもうますぎて、アマチュアのライターでは絶対に書けないのではないかと疑ってしまいました。もしプロのライターが手を加えたとしたら、逆にそのプロのライターは、他にどんな著作を書いたんだろうと、興味を持ってしまいました。

あちこちで、ニューヨークの聞きなれた地名やストリート名が出てきたので、事件の情景が一つ一つ思い浮かび、よりリアルに迫ってきたのも、自分にとってこの本が面白かった要因の一つです。あの時、あの場所で、あんなことが起きていたんだと…自分も同じような立場に追い込まれていたら、同じような行動をとっていたかもしれない、そう思うとゾッとします。現在の金融機関のガラス張りの管理体制だったら絶対に短期間でバレていたはずの無断取引を、彼は12年間も隠し通したのです。最初は、5万ドルの損失を取りかえそうと行ったことが次々と裏目に出て、損失は最終的に11億ドルにまでなってしまうのです…想像を絶します。

表紙の絵は、おそらく事件当時にNew York Timesで使われたという本人の学生時代の写真です。無垢な23歳・マッシュルームカットの写真は、この男が11億ドルもの巨額損失をひきおこしたという事実と対比されて、逆に不気味な雰囲気をかもし出しています。


奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ
奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ
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先ほどの井口氏の本を読んだ後は、「やっぱり、会社は社員の管理体制をしっかりしないとな」という読後感で一杯でしたが、この本は、完全にその逆をいくものでした。
自分自身、同じタイミングでこの一見相反する2つの本を買っていたことに驚きました。この本の著者リカルド・セムラー氏(セムコ社CEO)は、経営をする上で、従業員に対するコントロールを完全に手放すべきだ、ということを主張し、実際に経営の場で実践して成功を収めています。

会社で働く従業員一人一人を良識のある「大人」とみなし、ほぼ全てのオペレーションを、6-10人単位の集団ごとに責任を移譲してしまうのです。この会社では、出勤時間や仕事内容、さらには給料まで従業員が自分達で決めてしまいます。事業計画、売上目標、ミッションステートメントやクレドも全くなしです。そんなことしたら、従業員に好き勝手に会社を利用されてしまうのではないか、と思うかもしれませんが、このセムコという会社では、きちんと機能しているらしいのです。

あまりにも違う世界が描写されているような気がして、そんなことが果たして可能なんだろうかと最初は眉唾ものでした。しかし、本を読み進めていくにしたがい、具体的事例の数々によって、否が応でも納得させられている自分に気づきました。社員が不正を働いたことも当然あったそうです。しかし、それは当事者同士で問題を解決させ、経営者として、それを契機にコントロールを押し付けることはないそうです。

先ほどの本に述べられている大和銀行の事件も、セムラー氏であれば「ウチの会社でそんなことは起きるはずがない」と言うでしょう。つまり、心から自分がやりたくて就いた仕事で、その内容に誇りを持ち、売上目標を自分で決めていて、会社から押し付けられるものが何もない状況であれば、無断取引をするなど、トレーダーにとって何の意味もないことだからです。

数々の成功者の本を読んで、今まで疑問に思ってきたことがあります。成功の尺度として、たくさんのお金を持っているとか、大きい家や良い車を保有することを良しとし、中にはそれをことさら誇張する経営者がいます。ところが、それを以って皆の模範になるのは、無理があるのではないかと思うのです。物質的な豊かさを手に入れることができなければ、即人生が不幸であるということなのでしょうか。それならば、全ての人が幸福を享受することはできない、ということです。そんな立場を経営者自身がとっていたら、そこで働いている従業員は、「全員が勝つことのできないゲーム」を強いられ、敗北の恐怖におびえながら仕事人生を送ることになりそうです。

「不労所得を得て、幸せなお金持ちになろう」みたいなことが数年前に流行しましたが、あまりの思想の浅さに、私自身は辟易します。こういうスローガンを掲げる人は、意図はしていないと思いますが、実は全ての人が勝てるわけではないゼロサムゲームに人を誘っているのです。一見、明るいその言葉の影には、勝ち負けの世界があり、その裏にあるのは、敗北に対する恐怖と不安です。

私は不労所得が悪いと言っているわけでは全くありません。ポイントは、提案しているゲームの本質が「お金を得る」ことなのか、「自己表現をする」ことであるかということです。前者は全ての人が勝てないゲーム、後者は全ての人が勝てるゲームです。これによって、決定的に幸福度が変わってくると思うのです。

私は、仕事(もしくは人生)の醍醐味は、仕事自体を自分の自己表現と完全に一致させることだと思っています。自分を表現することが、そのままお客様への貢献になる。お客様への貢献が、報酬となって返ってくる。仕事で幸福をもたらすのは「これだけ」だと思うのです。報酬は二の次で、自己表現が第一、この順序が決定的に重要だと思います。

自己表現は、誰でも、どんな職業でもできます。新しい事業に挑戦したい!ということが自己表現だという人がいます。お客様と会話をしたい、接客をして気持ちよくなった欲しいということが自己表現の人もいます。データエントリや事務的な仕事をすることや、掃除をすることが自己表現だという人もいるでしょう。それぞれの性格によって、どんなことが充足感をもたらすのかは違ってくるはずです。

セムコ社のマネジメントは、まさに全ての従業員に自己表現の機会を提供し、徹底的に満たしてくれるやり方であると思います。こんなすばらしい企業を作り、現在も維持しているセムラー氏に敬意を表したいです。

この本の中で、元GEのジャック・ウェルチ氏の「下位10%のパフォーマンスの従業員はクビにする方針」を断罪している箇所がありましたが、このくだりは圧巻です。

ぜひ、皆におすすめしたい本です。

リーダーのあり方―大変革期と新・上に立つ者の人間学リーダーのあり方―大変革期と新・上に立つ者の人間学
著者:船井 幸雄
販売元:PHP研究所
発売日:1998-08
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ざっくばらんに話そう 勝つための方法―船井幸雄のヒント (船井幸雄のヒント)
著者:船井 幸雄
販売元:中経出版
発売日:1998-06
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最近、船井幸雄氏の本にハマっています。
もともと、前のコンサルティング会社に入社した頃は、「船井総研ってなんとなく怪しいな」(失礼!)と思って勝手に敬遠していました。なぜ、自分から遠ざけていたのか、自分でもよく覚えていません。

その頃は、大前研一氏を神としてあがめていたので、彼の論理的な文章は好きでしたが、船井氏の説く曖昧な「気」だとか「エヴァ」だとかが妙に怪しく聞こえたのでしょう。一冊本を立ち読みして、興味を失ったような気がします。

ところが、その後船井総研のトップコンサルタントである五十棲剛史氏や千田琢哉氏の本を読むに連れて「船井総研、相当すごいんじゃないか」と思うようになりました。彼らの本は、どれも地に足が着いていて、中小企業が結果を出すために必要なマーケティングの考え方や具体的な実践方法が、どの本よりも説得力をもって書かれていたのです。

というわけで、船井氏の本をはじめてじっくり読んでみると、これがすごい…なぜ、もっと早く出会っていなかったのだ…と思います。本当に結果を出すには、データと論理だけじゃダメなんだな、ということが彼の本を読むとよくわかります。私の方も、何もわかっていなかったあの頃に比べると、多少論理じゃない部分も理解しようとするキャパシティができてきているのかもしれません。


「会計戦略」の発想法「会計戦略」の発想法
著者:木村 剛
販売元:日本実業出版社
発売日:2003-07-02
おすすめ度:4.0
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木村剛氏の本は昔から好きですが、この本は特に読み応えがあります。彼は、資本主義のしくみの本質をよく知っていて、それをうまく平易な(そして時に熱い)言葉で説明することに長けています。さすが竹中平蔵氏のブレーンです。

さて、この本は、会計の何たるかがわかる良書です。そもそも、なぜ会計をしなくてはならないのか、会計の本質とは何かを知る上で、絶好の入門書です。税務のための会計と、経営のための会計が違うというのは常識ですが、中小企業のオーナーとなると、ここら辺を履き違えている人が結構多いのも事実です。この本は、資本主義制度を守る会計というものの重要性を学ぶ上で、そして、自分のビジネスの「スコアカード」を正しくつける上で、絶好の教科書になると思います。おすすめです。


金閣寺 (新潮文庫)金閣寺 (新潮文庫)
著者:三島 由紀夫
販売元:新潮社
発売日:1960-09
おすすめ度:4.5
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三島由紀夫の傑作。爆笑問題の太田が数週間前のPodcastで薦めていたので、買ってみました(ちなみに太田のファンです)。日本に行く飛行機の中で読みましたが…すごい…。読みながら、唖然としました。
私が三島氏の本を読んだのは、恥ずかしながらこれが初めてだったのですが、何しろ文章が綺麗なのです。美しいのです。彼がやたら「美」にこだわっていたのは聞いたことがありましたが、これを読んでいると、本当にそれが表現されています。特に、この小説では、「光」と「闇」の光景が鮮やかに描かれていて、まるで映画を見ているかのように、その場面ごとの映像が脳裏に現れるのです。

そして、ここで表現されている「美」というのは、滅ぶ運命にあるものだけが、唯一持つことのできるものです。金閣寺は、悠久の時間の中でその場所にたたずんでいて、静的で永遠の存在のように思えます。その「美」は、主人公の置かれている状況によってどんどん変化していきます。最初は、金閣寺がまだ想像の中にいた時、絶対的な「美」として彼の中で存在します。実際に金閣寺を見ると、その想像は裏切られますが、その後戦争に入り、いつ空襲で滅ぶかわからない状況の中で、金閣寺は輝きを増します。その後、終戦を迎え、金閣寺はまた輝きを失います。そして、この物語の中で、最も金閣寺が光輝くのは、主人公が放火を実行するその直前なのです。

滅びに直面するものが最も美しい。桜を美しいと感じたり、自己が犠牲になることを美しいと感じる、日本人の美意識です。三島氏がボディービルディングをしていたのは、その腹に刃を立てることが前提だったという説も何となく納得です。傷つけられる運命、じきに滅びる運命の肉体だからこそ、益々美しいんだと。この本を30歳で書いたことを後で知りましたが、この世の中にはとんでもない天才がいたものです。


夢に日付を! ~夢実現の手帳術~夢に日付を! ~夢実現の手帳術~
著者:渡邉 美樹
販売元:あさ出版
発売日:2005-10-24
おすすめ度:4.5
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渡邉美樹氏の本。私は心から渡邉氏を尊敬しているので、ここに書いてあることを愚直に実行しています。メディアの前面に出てくる経営者はよく批判・批評の対象になります。彼もたくさんの人と利害関係を持ってきたわけですから、例外ではありません。しかし、渡邉氏はそれでも前進し、世の中に違いを生もうとしているし、その真摯な姿勢は、信頼に値すると思っています。最後は、それが大事だと思うわけです。真摯さがあるか、そうでないか。


SUPERMARKET FANTASY [通常盤]SUPERMARKET FANTASY [通常盤]
アーティスト:Mr.Children
販売元:TOY'S FACTORY Inc.(VAP)
発売日:2008-12-10
おすすめ度:4.5
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最後、本ではありませんが、Mr. Childrenのアルバム。遅ればせながら、東京で手に入れました。すばらしいです。Washington DCの友人A氏が「今回のはどの曲もいいよ。変な曲がない」と言っていましたが、まさしくその通り。「みんなのために作った」という感じが伝わってきます。個人的には「東京」「エソラ」「旅立ちの唄」が良かった。

もちろん「GIFT」もいいです。
下のPV、結構感動しました。笑顔があふれてますね。

最近、ちょっと日本に行ってきまして、本を結構読んできました。

資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言
著者:中谷 巌
販売元:集英社
発売日:2008-12-15
おすすめ度:2.5
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父親に勧められて読みました。
中谷氏は、私が大学にいた頃、看板教授のような人だったと思います。私は社会学部だったので、学内で見たことはありませんでしたが、政府やメディアでの働きぶりは私もよく知っていました。彼の著作を読んだのは、これが初めてです。アメリカ型の資本主義を日本に取り入れようとしていた著者が自身の誤りを認め、懺悔したのが、本著です。非常に面白い本でした。アメリカに住んでいると、日本の良さがすごくよくわかるので、納得させられることが多いです。
これは、経済書というよりも、比較文化論的な内容として読んだ方が楽しめると思います。ただ、途中のアメリカ人の描写がどうも画一的で、日々アメリカ人と接している自分としてはどうもピンとこないことが多かったのは事実です。Amazonのレビューの評価がいまいち悪いのが気になりますが、前評判が高い書物ほど、こうなりやすいんですよね。


金融危機の本質は何か―ファイナンス理論からのアプローチ金融危機の本質は何か―ファイナンス理論からのアプローチ
著者:野口 悠紀雄
販売元:東洋経済新報社
発売日:2009-01
おすすめ度:3.5
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この本は、今回の金融危機をファイナンス理論から解き明かしています。「高度なファイナンス理論が、今回の危機を招いた」という解釈を排し、今回の危機は、逆にファイナンス理論を利用しなかったために招かれたものだ、と筆者は主張しています。結局、市場リスクを金融商品の価格と格付けに反映できなかったことが問題だと、明快に分析しています。メディアであまりに感情的な議論が先行しているので、私としてはこういう明快な論理で説明してくれていることがありがたいです。


さらばアメリカさらばアメリカ
著者:大前 研一
販売元:小学館
発売日:2009-02-07
おすすめ度:4.0
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以前、コンサルティング会社に勤めていたので、入社当時は大前氏の本を神の本として読んでいました。あの時大前氏の本を読んでいたからこそ、入社3年以内に、IT、英語、財務というサラリーマンの基礎を集中的に勉強できたと思っています。だから、大前氏には本当に感謝しています。しかしながら、この本はどうなんだろう…。かなり独りよがりの主張が目立つような気がします。これも、中谷氏の本と似たようなところがあって、アメリカ人は○○、と画一的にまとめてしまっているところがあり、そういう主張には私は全くピンと来ません。そんな単純じゃない多様性が、アメリカ人の唯一の特徴なのですから。

あと、自身がMITに留学した時には奨学金が出たのに、今はアメリカは外国人に奨学金を出さず、国として懐の深さや寛大さが完全に消滅したと書いてありますが、これはデタラメです。MITやアイビー系の大学なら今でも外国人に市民と同様の条件で奨学金を出します。日本人も、家庭の年収が600万円以下なら、タダでハーバードにいけます。

CNNにまつわるメディアの話も、疑問符をつけざるを得ませんでした。CNNは、ニュース番組の視聴率が必ずしも1番ではないので、なぜCNNを以ってアメリカの代表とするのか、わかりませんでした。たまたまスカイパーフェクTVで自身が視聴しているから取り上げたのでしょうか。アメリカでは、プログレッシブと呼ばれる人たちの番組も台頭してきていますが、そういうことには全く触れていないことに違和感を感じました。

それでも、大前氏の研究熱心さには頭が下がるし、彼の文章の自信満々な感じは好きです。


スティグリッツ入門経済学 <第3版>スティグリッツ入門経済学 <第3版>
著者:J.E.スティグリッツ
販売元:東洋経済新報社
発売日:2005-04-08
おすすめ度:4.5
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これは面白いです…。情報の非対称性を考える、という脳みその訓練ができました。考えてみると、アメリカの学費が急騰したまま、全く下がる兆候を見せないのは、情報の非対称性で説明がつきます。購入者が、欲しいものが何かを定量的・定性的にわかっていない。だから、サービスの提供者が値を上げたい放題、なのです。もっと研究してみたい、と思わせてくれました。


徹底抗戦徹底抗戦
著者:堀江 貴文
販売元:集英社
発売日:2009-03-05
おすすめ度:4.0
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堀江さんの徹底抗戦。堀江さんの本は、彼が逮捕される前にほとんど読んでいました。彼の著作を読むと、あんな犯罪を起こすほど彼は頭が悪くないことがわかります。事件が起きたときには、「まぁ、堀江さんには悪意はなかったんだろう」と思いました。あまりにも真っ直ぐな人なんだと思います。この本は彼の立場から事件の経緯が書かれていて、非常に興味深いものでした。個人的には、最高裁で無罪判決が出ることを願ってます。


あと5センチ、夢に近づく方法―渡邉美樹が戦いながら身につけた起業論 (祥伝社黄金文庫)あと5センチ、夢に近づく方法―渡邉美樹が戦いながら身につけた起業論 (祥伝社黄金文庫)
著者:渡邉 美樹
販売元:祥伝社
発売日:2006-07
おすすめ度:4.5
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和民の渡邉社長、ホント尊敬してます。

Getting Everything You Can Out of All You've Got


この本は、Jay Abrahamという人が書いたマーケティングの名著です。
題名は、「今持っているものから、得られるもの全てを得る」が直訳になりますね。

マーケティングのステップにおいて、いかに他人に興味を持たせて、購買意欲を沸かせるか、いかに商品を買わせるかを、事例やたとえ話を交えてわかりやすく解説しています。

USPの明確化や、満足度保証など、マーケティングには欠かせない基本的な事柄がほとんどカバーされていて、基本を押さえる上でも参考になる内容になっています。

しかし、こういう本を読んでいつも思うのは、本当にこの著者自身がこれを利用してビジネスを大きくさせた実績のか、ということです。
マーケティングの技術を使って、「マーケティングの本を売ること」に成功したが、他の会社には応用できない、中身がなさそうな本も、たくさんあったような気がします。

まぁ、この本自体は、そういう現実があっても、誰にでも役に立つような情報が満載だったように思います。

先週、LAに行った時に、個別コンサルティングをご依頼された、あるお客様の自宅へお伺いしたのですが、その時にある文庫本をいただきました。

佐賀のがばいばあちゃん


この本は、巷では有名らしいですね。
私は題名すら全く聞いたことがなかったので、新鮮でした。

誰かの気に入った本を、直接頂戴するのは、大変光栄で、嬉しいことです。
この人は、この本のどこに感動しながら読んだんだろう、と考えながら読むと、本を下さった方の理解を通して、人としてのつながりを感じます。

内容は、漫才師の島田洋七さんの幼少期の祖母との触れ合いを描いた作品です。

感想は…素直に、感動します。
昭広少年(洋七さん)は幼い頃に、佐賀のおばあちゃんの家へ無理矢理送られます。おばあちゃんは貧乏なのですが、毎日毎日をフルに、幸せを体現しながら生きています。
数々の感動的な話題が本の中で紹介されるのですが、特筆すべきなのは、昭広少年の素直さです。スポーツをしたいが、剣道着、柔道着を買ってもらえず、おばあちゃんに「走れ」と言われます(しかも靴を履かずに)。
それを素直に聞いて毎日毎日走り、運動会では必ず1位になるほどの足を鍛え上げたそうです。そんな素直な少年なので、一つ一つのエピソードに、より感動の深みが加えられています。

Mさん、素晴らしい本をいただきまして、大変ありがとうございました。
感謝しております。

スイス人銀行家の教え―お金と幸せの知恵を学ぶ12のレッスン


この本は、数日前に読んだ「ユダヤ人の大富豪の教え」の続編ですが、こちらの方が私としては面白いと感じました。お金に対する考え方が、人によってバラバラであることと、お金に対するつき合い方が、自分ではよくわかっていないが確かに存在することがよくわかりました。

この本も、お金の話をしているものの、最終的には幸福と自分のあり方の話になります。
「お金に色はない」ということを言いますが、確かにそれにいろいろと意味づけをしているのは人間の側なんですね。

本田氏は、こういった考察を小説仕立てにするのが非常に上手で、物語にまた引き込まれていくのを感じました。

おすすめの本です。


ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣


この本は、ずっと前から存在を知っていたものの、最近まで読む気がしなかったものです。どうも「ユダヤ人大富豪」という言い方が胡散臭いというか、短絡的なイメージの利用が、逆に安っぽい気がしてなりませんでした。
実際にユダヤ人ボスの下で働いたことがあり、現在も日常的にユダヤ人と接している身としては、どうもこの題名に軽薄さを覚えてしまっていたのです。

しかし、尊敬する人たちが揃って薦めていたこともあり、ひとつ自分の偏見は横に置いて読んでみようという気になりました。

読んでみると、非常に面白い本で、お金持ちになるためというよりも、人生において幸福を得るための秘訣のようなものが、非常にわかりやすく章立てになって書かれています。

単純に物語として読んでみても、中に引き込まれて、主人公の味わった感動のようなものを感じ取ることができます。
大富豪が話を講じる部分が多いのですが、小説風になっているからでしょうか、なぜだか非常に説得力があります。支持が厚い理由がようやくわかった気がします。

続編のスイス人の銀行家の本もあるので、読んでみようと思います。

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