街角事件

April 28, 2008

the dorm

一橋大学の小平国際キャンパスの学生寮で、18歳の新入生が飲酒による急性アルコール中毒の疑いで亡くなるという痛ましい事件が起きました。

このニュースを目にした時、私は胸に複雑な痛みを感じました。
まさか、こんなことが今になって現実的に起こるとは、考えてもいなかったのです。

この学生寮自体は、6,7年ほど前に建てられた新しいものですが、それ以前は「一橋寮」(いっきょうりょう)と呼ばれるオンボロの建物に、同大学の1、2年生が住み着いていました。
その一橋寮に私が入ったのは、1996年のこと。

コンクリートむき出しの、そのボロボロの寮に入ることを決めたのは、単に共同生活が楽しそうだったからです。
廊下も部屋も壁は落書きだらけ、一部屋に4人のスペースで、プライバシーなどまるでありません。私が入った部屋は、北403号室。
部屋には2人の2年生の先輩がいて、1年生の同期がいなかったため、私を含め3人の所帯でした。しかし、同じ廊下でつながっている北401 - 406は「北4A」と呼ばれる一つのブロックを形成し、我々はこのブロック単位で行動を共にしていました。

入寮して初日、北4Aの学生が全員集まって飲み会がはじまります。
私はそれまでお酒というものをほとんど飲んだことがなかったので、これはきつかった。「ああ、こんなことに耐えなくちゃいけないのかな」と思いつつ、苦いビールを喉に流しこんだ記憶があります。

新入生歓迎コンパの期間は、1ヶ月くらい続きます。他のブロックと次々と「対抗コンパ」を行うのです。そのコンパでの飲み方は、それはもうひどいものです。新入生は、自分の自己紹介をしながら、理不尽なツッコミを受け、ひたすら飲み続けます。部屋には「ゲロ箱」が用意され、吐いた時の「受け皿」も万全です。吐くために飲み、飲むために吐きます。近所の居酒屋で大体6時ごろからはじまり、深夜にまで及びます。

新歓コンパは、私にとって非常に不愉快なものでした。そもそも、なんでこんなわけのわからない理由で毎日飲まされなければならないのか。

当時は、あまりに激しい飲み方に、「こんな無茶やっていたら、いつか誰か死んでもおかしくない」と私は思っていました。しかし、こんなハチャメチャな伝統が何十年も続いているにも関わらず、一橋寮がなくなる2002年まで誰かが亡くなったという話は聞いたことがありません。
私は他のコンパに出席しているうちに、この荒唐無稽に思える「一橋寮飲み」には実は強力なセーフティネットが張られていることに気づきました。

まず、一橋寮飲み(特に新歓コンパ)では基本的にビールしか飲まないのです。もちろんビールでも急性アルコール中毒になる可能性はありますが、現実的には泥酔する前に腹が膨れ上がってしまうため、意識を失ってしまう前に、物理的に飲めなくなってしまうことの方が圧倒的に多いのです。また、当時の一橋寮は4人部屋のため、先輩が責任をもって後輩の尻を拭うという暗黙の了解ができあがっていました。誰かの気分が悪そうだったり、ぐったりしていると、同部屋の先輩が、かなり心配して手厚くケアをします。お互い、男同士で気持ち悪いほど心配します(最初はこの「愛」がかなり気に障ります)。先輩からは、喉に何も詰まらないよう、指を使った「正しい吐き方」を教わり、緊急時の対応も万全です。

新入生の頃、ある飲み会で私は完全にブチ切れ、空のビール瓶を蹴り飛ばしました。何でお前らのようなアホどもに飲まされなければならないのか。ふざけるな。他ブロックの何人かの先輩と一触即発の事態になりましたが、「お前、勇気あるな」と帰り道に肩を抱えながら言ってくれた先輩の言葉も忘れられません。大嫌いなコンパも参加しているうちに楽しくなり、同期とは戦友のような間柄となりました。夜中の1時にブロック全員で国立までカラオケに行ったりと、メチャクチャなことばかりやっていました(現在多くの掲示板でたたかれている通り、かなりアホです)。今考えると、やはりやることが一つ一つ危険だったことは否めませんが、そんな中、築かれたかけがえのない絆は卒業して随分経った今でも続いているほどです。

あの頃一緒にバカ騒ぎしていた仲間の中には、在学中に公認会計士に合格した者もいますし、私の同部屋の後輩などは弁護士になりました。他にもあの明らかにアホな連中が日本を代表する大手銀行・商社・マスコミや外資系などに渡る名だたる企業の社員になったりするのを見ると、これは憂うべき事態なのか、逆に希望の象徴なのかわかりません。今でも世界の中で、何の遠慮もなく「こいつは偉そうにしているけど、れっきとしたアホです」とお互いを指差しあって言い合える仲など、彼らくらいしか存在しません。

私の卒業後、一橋寮の老朽化に伴い、「小平国際寮」が建設されました。
4人部屋だったものが、1人ずつの個室に変わり、その学生寮は落書き一つない近代的な建物に変貌を遂げました。
それまでの一橋寮飲みの伝統は消えてなくなりました。



あの激しくも楽しい飲み会と、4人部屋・ブロックごとのコミュニティを軸にした連帯感がもうなくなるのかと思うと寂しい気持ちはしました。
しかし、あれはあれで危険だったし、これからは個人の意思と権利が尊重される時代だから、これも良いのかもしれない。もう、ブロックごとの飲み会もなくなるだろうし、寮の中での小規模な飲みもずっと少なくなるに違いない。
そこには、少し安堵の気持ちがありました。
やはり、飲みたくない人に無理に飲ませる、というのはもはや時代に逆行していると思うのです。「空気」を利用して他人に何かを暗黙のうちに期待する、という日本人のやり方は私も賛成しかねない場面がたくさんあります。

そう思ってから随分経ちますが、今になってこんなニュースを聞くことになろうとは、思ってもみませんでした。本当に残念でなりません。新しい寮で新歓コンパがあったことすら知りませんでしたが、もしあの「ビールだけ飲み、気持ち悪いほど助け合う」伝統がなくなったせいで、逆に危険度が増したのだとしたら、皮肉でしかありません。


そもそも飲酒について忘れてはならないのは、18歳で飲酒というのは、違法だということです。多くの学生は、違法行為を平然と行っているのであり、これを見逃すわけにはいきません。
私の寮生活で起こったことは、不法行為の元に築き上げられたもので、単にラッキーだったということを認識し、事故が起きなかったから良いということではないと心得ています。このようなことが2度と発生しないよう、私は私の身近にいる人達に対して責任をもって対処するしか、償いの道はありません。
ただ、楽しかったあの思い出とかけがえのない仲間たちとの絆が、ともすると取り返しのつかない危険と隣り合わせだったことに今さらながら気づき、複雑な胸の痛みを感じています。


若い後輩の将来が絶たれたことを、本当に痛ましく思います。
ご冥福をお祈りします。

jimmy_nyc at 15:34コメント(4)トラックバック(0)  この記事をクリップ!

July 19, 2007

the explosion

午後6時過ぎ、一旦アパートからオフィスに向かおうと思っていたところ、友人のS氏から電話が…。

「何か近くで大きな爆発があったみたいなんですけど、テレビかインターネット見てもらえませんか?」

「今、グラセン(グランド・セントラル・ステーション)付近で、建物が壊れたらしいんですけど、ものすごい煙が出てるんですよ」

何やら、ものすごくパニック状態に陥っているようなので、段々不安になってきました。テレビをつけてみると、白い煙がビルの間から立ち上っているのが見えます。
彼がさらにどんどん煽ります。

「もう人が騒いでいて、大変な状態ですよ。地下鉄も使えませんよ」

携帯電話越しからも、外からもサイレンの音がうなりはじめました。
テレビでは、数分するとすぐに専門家が出てきて、「この種類の白煙が出ているということはスチーム・パイプが爆発したものと思われる。テロの可能性は低い」ということをすぐに説明していました。

画面が切り替わると、見慣れたベーグル屋が出てきました。
そのベーグル屋に近い場所に、ぽっかりと大きな穴が地面に開いていて、怒涛の勢いで白煙を立ち上げています。

41st St & Lexinton Ave…あそこは、昨年9月まで住んでいたあのアパートから3ブロック離れたところでした…。
あの時は諸事情により「追い出された」のですが、今となってみれば自分はラッキーだったのかもしれません。

外に出て、オフィスまで歩いてみたのですが、タイムズスクエアでは、みんな普通にニコニコ歩いていました。

42nd St & 5th Aveあたりまで来ると、物々しい雰囲気はあったものの、煙も大分おさまったようでした。
彼が、「建物が破壊された」と他の人から聞いたらしいのですが、明らかにパニック状態から来たものなのでしょう。

亡くなった方のご冥福をお祈り申し上げます。

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July 09, 2007

japanese snob

本日夕方、友人のPamelaと和食レストランで食事をした時のこと。
NYCの和食レストランは、日本人でない人たちが経営する場所も大変多く存在します。本日行った所も、そんなレストラン。
私はメニューにある"Yakisoba"を頼みました。

以前、同じレストランでカツ丼を頼んだ所、とんでもない味付けで出てきたのでハラハラしていたのですが、今回も期待をはるかに上回って(?)くれました。

件のYakisobaが出てきたのですが、その麺が、蕎麦粉で作られた"蕎麦"の麺なのです。
確かに焼いた蕎麦なので、"Yakisoba"なのかもしれませんが…日本人としては極めて納得がいきません。腹さえ立ってきます。

頭の中でブツブツ文句を言いながら、一通り食べ終わりそうな所で、

"This is totally NOT authentic...they're using the wrong noodle"

とポロッと言ってしまうと、Pamelaがニヤニヤしながら思ってもみないコメントをぶつけてきました…

"Are you being a Japanese SNOB?"

"蕎麦"を焼いたYakisobaがホンモノじゃないと言っただけで、"snob"(俗物根性主義者)と言われるとは想定していませんでした…(ニュアンスとしては、「日本人だからってカッコつけてるつもり?」でしょう)。
冗談とはいえ、けっこうショックです…。確かに、ホンジュラス出身の彼女にはこのYakisobaに違和感など覚えようもありません。

そして、気づいたのは、自分は日本人としての常識にとらわれていたために、この新しい未知のYakisobaに対して、何の希望も可能性も見出さず、まずいと思いながら食べていたことです。
こんなありえない"Yakisoba"だからこそ、楽しんで食べなければならないのかもしれません。

jimmy_nyc at 22:22コメント(4)トラックバック(0)  この記事をクリップ!

July 07, 2007

supplement

本日は、一ヶ月試したサプリメントの成果を測定しに行って参りました。
皮膚に含まれる抗酸化物質のレベルを測定するもので、当然高ければ良いというものです。

一ヶ月前あたりに測定した頃は、28,000という値だったのに対し、今回計ったところによると、48,000になっています。これはすごいです…本当にサプリメントに効果があることが証明された格好となりました。

確かに、明らかに体調が良いのを感じるし、昔から弱かった自分の肌が一切荒れなくなってところをみると、この商品はホンモノだと言わざるを得ません。

商品名はここでは言えませんが…とにかくすごいサプリメントです。こんなことが知られずに残っているとは、非常に驚きです…。


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July 06, 2007

failed

今日はNY州の保険ライセンスを維持するための試験を受けに行きました。
保険に関する試験で、課目を選ぶことができます。
私が選んだのは、マネーロンダリングについての試験。何回でも受けることができるので、たいしたことないと侮っているたら、規定の点数に満たず、落ちてしまいました…。

マネーロンダリングがどんな法律で規制されていて、どのような監視体制を金融機関の組織内に構築しなければならないか、いろいろな質問が出ましたが、さっぱりわかりません…楽勝だと思っていただけに、やたら腹が立ちます。

「何で、こんなこと勉強しなくちゃいけないんだ」とテストのせいにしている自分がいたりします。一通り人のせいにすると、今度は自分を責めていることに気づいたりします。「なんで、予習してこなかったんだ」「なんて無能なんだ、お前は」と。



一通り頭の中でブツブツ文句を言った後で、「起こったことは、テストに落ちたことだけだな」と気づきました。

とすれば、次にすべきことは、予習してまたテストを受けるだけ。
それ以外のことは全て騒音。
次は勉強して、必ず合格します。

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July 04, 2007

back on track

ずいぶんと長い間ブログを更新していませんでしたが、6ヶ月間のリーダーシップの研修が佳境を迎えていて、ひたすらトレーニングに没頭していました。ものすごい経験をしているのですが、なかなかプログラム自体の権利上の問題で、内容を書けないのが残念です。

それはそうと、ブログをまた書こうと思っていても、ネタがないことに気づきます。
いくらでもあるはずなのですが、何かいいことを書こうとすると頭の中が枯渇しきって、何も書けないような、書いてもしょうがないような気すらします。

いやしかし、これは、逆に考えるべきなのでしょう。
毎日毎日、何か新しいことを自分から起こしたり、何かを学んだりして、自分から何かを発見していかなければならない、ということなのでしょう。

また今日からがんばります。

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June 04, 2007

coke

Diet Cokeを最近やたら飲んでいる気がします。
日本で、お茶のボトル買っていたのと同じような感覚で、コーラを買っているような気がするのです。

日本では、コンビニに行けば多種多様なお茶が冷蔵庫に並んでいますが、アメリカでは同じように、コーラが並んでいます。
CokeやPepsiにも、いろいろなバリエーションがあって、チェリー、ライムの他、最近はストロベリーミルク、キャラメルミルク、というのも発見しました。まぁ、こういうのは、試してみましたが、飽きますね。

それにしても、日本ではどのお茶にしようか迷って、毎回コンビニに行くのが楽しみでしたが、アメリカではどのコーラにしようか迷っている自分がいます。
しかし、コーラは体に悪そうなので、買うのにいつも罪悪感を持ってしまいます。
さすがに砂糖が一杯なのはやめようと思い、Diet Cokeになってしまうのですが、この空しい感覚は何とも変わりようがありません。

もっとお茶があふれている日本は、いい所だなと、つくづく思います。


jimmy_nyc at 13:56コメント(0)トラックバック(0)  この記事をクリップ!

June 01, 2007

logistics revolution

skin careについて、いつもお世話になっているKさんに講習をしてもらいました。
私は肌が極めて弱いため、教えてもらうことにしたのです。
Kさんは、ネットワークビジネスでAnti-agingの商品を取り扱っていらっしゃるのですが、非常に優秀な商品群なので、私も、いくつか購入しています。

しかも、ここの商品は、モノが極めて良いうえに、安いのです。
通常の店舗で売っている普通の商品と値段が変わらなかったり、さらに安いものまであります。

ネットワークビジネスで、安さをウリにできるというのは強力なアピールポイントだと思います。なぜなら、ネットワークビジネスは、余計な経費がかからないからこそ、優秀なビジネスモデルだからです。

いわゆる、「通常の流通網」と言われるものは、小売店が中間に入っていて、広告宣伝によって商品を売る、という形態が通常です。
しかし、この場合、最終消費者に商品が行き着く間に、ムダなコストがいろいろかかっています。たとえば、広告宣伝には、全ての人が反応するわけではありませんから、広告費一定額に対して生みだされる効用にバラつきが出てきます。また、運送費なども、本来最終消費者に届けられる最短経路と比較すれば、いろいろなムダがあることがわかります。

ネットワークビジネスでは、広告宣伝が存在しないため、売られた分に対して販売費が比例するという、効率の良さがあります。また、メーカーから最終消費者に一直線に商品が届けられるため、運送費にムダがありません。その削られたコストの部分と、本来小売店に行くべき中間マージンが、売った人に支払われるしくみです。

Kさんは、「この前もねずみ講と言われて困ったのよね〜」とおっしゃっていましたが、しくみをクリアな目でみれば、違いは明らかです。

jimmy_nyc at 16:46コメント(0)トラックバック(0)  この記事をクリップ!

May 26, 2007

curry

38th Stにカレー屋ができたというので、行ってみました。
ゴーゴーカレーというらしいです。

http://www.gogocurryusa.com/

着いて見ると、なんとなく見覚えが…ここは、昨年来て幻滅したラーメン屋だったところではないですか…店の中のレイアウトが、全く同じだったので、気づきました。

5月中は、5ドルだということで、カツカレーを食べてみました。
味はけっこう濃いですね。おいしいです。
なかなか、日本のカレーを食べる機会もないので、これからもたまに覗いてみるかもしれません。


話は変わりますが、私の中でのカレーナンバー1店は、もうやんカレー(東京です)。

新宿の、十二社通り沿いと、青梅街道沿いにあります。
今見てみると、池袋にもあるようですね。
非常においしいので、近くに立ち寄ったら試してみてください。
病みつきになります。

jimmy_nyc at 03:25コメント(0)トラックバック(0)  この記事をクリップ!

May 21, 2007

a yankee game

知人に招待を受け、NY Yankeesの試合を見に行ってきました。
Yankees Stadiumに最後に行ったのは、2、3年前くらいのような気がします。
その時は、1試合で松井が3本か4本くらいホームランを打っていました。

今日の相手は、宿敵Boston Red Soxです。
Alex Rodriguezのホームランを中心に、6点をあげたYankees、相手の打線を2点に抑え、快勝しました。

相手がRed Soxだからなのか、観客席がたまに物々しくなることがあり、Red SoxファンとYankeesファンとの間で衝突が何度も起きていたようです。
実際に殴り合いの喧嘩もしていたようなのですが、その度に警察が出動していました。マナーの悪い客もいるものですね。

そういえば、3年前にYankees戦を外野から見たのですが、Blue Jays戦であるにもかかわらず、なぜかRed SoxのTシャツを着ている人がいて、観客の一人と口ゲンカになってきました(大人気ない…)。

思い出すのは、2004年Red Soxがワールドシリーズで優勝した時のこと。
"ベーブルースの呪い"が解けて、86年ぶりに優勝したのですが、その時のニューヨークの地元紙の表紙の見出しが傑作でした。
Red Soxの胴上げの写真に、以下の見出しが出ていたのです。

"See You In 2090!!"

86年後にまた会おう!ということですね(彗星のようです)。
皮肉としては、笑えます。


jimmy_nyc at 23:33コメント(1)トラックバック(0)  この記事をクリップ!
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