Boiler Room

証券詐欺をはたらく集団を描いた映画です。
舞台は、私が数年前に住んでいたLong Islandの、Nassau郡よりもさらに東のSuffolk郡です。Manhattanからは、フリーウェイで1時間くらいの郊外です。

客に架空の証券を売りつけ、虚構の市場を作り出して荒稼ぎする会社での、主人公の葛藤が描かれています。

主人公は、定職についていない違法カジノの若いオーナーです。判事である父親に対する罪悪感から、まともな職につこうとするのですが、入ってしまったのが、詐欺を組織的に行っている小さな証券ブローカーです。

一日に何百という電話をかけ、言葉巧みなセールストークで証券を売りつけ、お金をまきあげる技術を毎日の営業の中で身につけて行きます。
初めは、合法だと思っていたことが、だんだん仕組まれた違法行為であることを目の当たりにしていき、葛藤が深まっていく様子がよく描かれています。

組織的にハードな電話営業する集団に対して、"Boiler Room"という隠語を使うようです。
密室の中で水を熱して沸騰させるイメージが、こもった部屋の中から電話をかけるだけで売上をまきあげるイメージにピッタリ合うのでしょう。
今まで見たことのない恐ろしい世界を垣間見せてくれる、面白い映画でした。