営業の上で必要なことは何なのだろうかと考える上で、最近身に沁みてきた考え方として、

「営業」を捨てる。

ということがあります。
売るとか、買うという概念を捨てる、ということです。

頭の中から完全に自分の利害を消し去り、「この人の未来の為に最善を尽くす」という場所から会話をスタートします。
仕事の質と顧客への価値へコミットメントを置き、そこから会話を続けると、お客様にもご理解いただけるものです。

最近も、明らかに自分が不利な状況で提案したにもかかわらず、私の提案をご検討いただいた方に私から買いたいと言われ、自分でも驚きました。
「売上機会」という面ではほぼ絶望的だったのですが、ひたすらその人の利益になる提案を続けたことに対して、価値を認めていただいたのかもしれません。

トップセールスマンと言われるような人の中には、モノを売っているのに売っているように見えない人がいます。

そういう人は、会話の中で作り出す客の将来像や可能性がそのまま商品の提案になり、その提案は客から「あ、いい機会だ。欲しい」と思われるだけです。
そして、お客がそれを手に入れるために必要なことが、たまたま財布の中から札を何枚か抜き取ることだったりするだけなのです。

売らずに売る、禅的ですがこれがセールスの極意なのかもしれません。

…いえ、もしかすると、そもそもセールスという言葉の存在するコンテクストに生きる必要がないのかもしれません。