情報に解釈を加えることによって、空気ができます。
そして、日本は、加速循環装置(大手情報媒体)のおかげで、物事に対して一つの空気=一つの解釈に染まりやすいのです。

これを前提にして、最初の記事に戻りましょう。

なぜ、この解釈ばかりの記事がそんなに危険なのか。
それは、この記事が匿名だからです。

匿名ということは、無責任、ということです。

ある特定の「解釈」を流し、日本全体の空気を変えるほどの力を持つ人物が、実際にごく少数のテレビ局の中、新聞社の中に、確かに、実在するはずなのです。
それなのに、その人物が、どんな思想にもとづいて、その解釈をしたかについて、視聴者は知らない。

判断力が十分に染まっていない子供だったら、「テレビで言っているから」「新聞に書いてあるから」、と全ての情報を鵜呑みにするかもしれません。
判断力があるはずの大人でも、「この前○○の番組で、XXと言ってたから、本当だよ」などと、テレビが言っていることが正しいことを前提に話す人がいます。

情報媒体の裏に潜む、説明責任を持たない、何人かの人間による勝手な情報解釈が、加速循環装置に流されているのです。

そして、その解釈は空気となって、日本を支配します。

唯一確かなのは、情報媒体は、広告収益型のビジネスであるということ。
それ以外に、お金をもらう方法がないのです。


アメリカの報道番組を見ていて違うなぁと思うのは、一つの空気が、支配的になりにくいということと、情報の解釈が、多くの場合「実名顔出し」で行われていることです。

そもそも、民族や宗教が混在する国であるため、物事に対する解釈がゴチャゴチャです。
そのため、一つの空気が支配的になることは、対テロ戦争のように、外敵が一致した時以外には、滅多にありません。
また、そもそも犯罪の多い、この土地に住む人は、他の人間の言うことを鵜呑みにする、ということが日本よりも少ないでしょう。