タスクリストを作って、タスクの優先順位をつける、というのは古くから行われているタスク管理のやり方ですが、なかなか実行している人は少ないものです。

しかし、実行している人でも、効果的なやり方で作っている人は少ないのではないでしょうか。

タスクリストで失敗する人の典型例があります。

たとえば、ある人が、以下のような、車に関するタスクリストを、週末に作ったとしましょう。
「よし、今日は車生活を向上させるぞ!」
意気は揚々です。

- 車庫を片付ける
- 車のタイヤを交換する
- ガソリンを入れる

さて、優先順位をつけましょう。
この中で、緊急かつ重要なのは、「ガソリンを入れる」ですよね。入れないと、動かなくなってしまいますから。

だから、このタスクは"A"としましょうか。
その他のタスクは、少なくとも、そこまで緊急ではないので、"B"としましょう。

B 車庫を片付ける
B 車のタイヤを交換する
A ガソリンを入れる

さぁ、この後、タスク管理の下手な人の場合、何をするか。

まず、一番重要なAのタスクに目を向けます。
そして、ガソリンを入れに、ガソリンスタンドに行きます。
車をガソリンで満タンにした後、満足げにタスクリストを取り出し、"ガソリンを入れる"の項目をチェックします。一つ、タスク完了です。

この人は、家に戻ります。
そして、タスクリストを眺めて、「さて、何をやるか」と考えます。

B 車庫を片付ける
B 車のタイヤを交換する

これを見て、この人はどうするか。

「車庫を片付けるのは面倒だなぁ。やんなくちゃいけないんだけど、どうしようかなぁ」

しばらく悩んだ後、次のタスクに目がいきます。

「車のタイヤを交換か…そういえば、新しいタイヤがないなぁ。さっき買いにいけばよかった。今から行こうかなぁ…でも、まだ走れるしな。そもそもタイヤの具合がまだよくわからないから、まだやんなくてもいいんじゃないか…」

そのうち、別の都合を思い出します。

「あ。そういえば、○○からのメール、返事きたかな。ちょっと見てみよう」

そして、パソコンを起動し、メールを読み始めるのです。
メールを読み終わると、今度は、インターネットでニュースなんかを見始めます。
目新しいニュースから思考がいろいろな所へ向かい、検索エンジンで、調べ物なんてことをはじめたりします。

疲れると、今度はテレビを見始めます。


こうして、一日が終わる頃には、一日の初めに、

- 車庫を片付ける
- 車のタイヤを交換する

という計画を立てたことすら忘れてしまいます。

しかし、頭のどこかには、やり残したことがこびりついていますから、平日の仕事中とかには思い出すわけです。

「そういえば、今度車庫の掃除しなくちゃ」
「そういえば、今度タイヤの交換しなくちゃ」

仕事が忙しくなって、休日出勤になってしまった日には、なおさら思いが強くなってきます。

「なんで、土曜に出勤しなくちゃいけないんだ!ずっと前から、休日には車庫の掃除とか、タイヤの交換をしたいと思ってたのに!」

ブツブツ文句を言いながら、ガランとしたオフィスで一人仕事をします。
そして、次の週末がめぐってきた時、また同じことをタスクリストに書くのです。

- 車庫を片付ける
- 車のタイヤを交換する

しかし、この人は、他の簡単で楽しいタスクを思いつく天才ですから、いざこの時になってみると、

「ちょっとパソコンのセキュリティが心配だから、今日はソフトウェアをちょっと見にいかなくちゃいけないかな。うん、今日はそっちの方が重要だ。タイヤとかはその後に考えよう」

などと考えるわけです。
そうして、何もしないまま、週末が終わります。

後は、これの繰り返しです。
どのくらいこれを繰り返すかというと、危機的な状況に陥るまで、延々と続けることになります。

この人は、

車がスリップして、命の危険を感じるまで、

または、

車庫内にモノがあふれて、棚からモノが崩れてくるまで

何もアクションを起こさないのです。


何を隠そう、そもそも自分が上記のような感じでしたから、よくわかるんですよ。


それでは、デキる人は、どうするか。
デキる人は、失敗する人とは違い、実行をするという点で、大きな違いはあるのですが、その前に、そもそもタスクリストの作り方が違うのです。

逆に、物事を先延ばしにする傾向のある人でも、タスクリストの作り方のコツさえつかめば、面倒なタスクがスイスイ進むことを体験できます。


GTD Methodにもとづく成功例を、次に見てみましょう。