法廷の中に入ると、傍聴席に沿って並ぶように指示されました。

判事のアシスタントのような人が、1枚の紙切れを持っていて、そこに、選ばれた8人の陪審員の名前が書いてあるようでした。

私の名前は、呼ばれませんでした。

やはり、「データ重視の男」と見られ、原告側から嫌われたせいでしょうか。陪審員の8人は法廷内に残り、今後の予定を指示されたようです。

残りの、選ばれなかった私を含む十数人は、次の日の9時半に、再度法廷に来るように求められました。

陪審員の8人は、これから、数日間にわたって、原告・被告両側の主張を聞き、この小柄な被告の運命を決めます。彼は、飲酒運転をしていたのか?していなかったのか?

どんな結論であれ、この裁きが、彼自身の人生に、大変な影響を与えることは間違いありません。
この8人が、公平な判断をしてくれるよう願い、私は法廷を後にしたのでした。