金融の不正で多いのは、「利益の保証」です。
株・投資信託の営業マンがこれをやったら、一発退場ですので、覚えておいてください。

証券を売っている人で、こんなことを言う人がいたら、すぐに当局(NASD)に連絡をしてください。

「この株を今買っておけば、必ず上がりますよ」
「この投資信託は、過去20年間で、○%上昇してきたから、今後も○%の上昇が期待できますよ」

株や投資信託(ミューチュアル・ファンドが一般的)の販売に携わる者は、特定の商品の、将来価格を予測してはいけない、というのが原則です。
株や投資信託と言うのは、性質上、上がったりも下がったりもするからです。それを、ことさら上がることだけを強調して、消費者を扇動することは、極めて悪質な犯罪とされています。

なので、彼らは、「値段が上がりますよ」と言ってはいけないんです。

ところが、一方の事実として、消費者は、将来価格が上がることを期待して証券を買います。

そんな時に、どうやって証券・営業マンは、その商品を説明するのでしょうか?
実は、将来の予測はできないけれども、過去の実績なら、示して良い、というルールがあります。

つまり、たとえば「過去10年間この投資信託は○%上がってきた」、とまで示すことはできるのです。
しかし、ここから、「だから今後も○%期待できるだろう」と結論づけることはできません。
「この先、価格は上がるかもしれないが、保証はできない。将来的には価格が下がるリスクもあるし、元本の保証もありません」、と価格が下がるリスク・元本を失うリスクをきちんと説明するいうのが、正しい商品説明の原則です。

また、営業マンが、利益を個人的に保証するのも厳禁です。つまり、お客さんが損をした時に、個人的にポケットマネーからお金を出して、損の埋め合わせをすることは、禁止されています。


通常の場合、書面で、「この商品は、元本の保証がないことを承知している」ということが書かれた紙にサインをさせられます。

自分が何にサインしているのかを、きちんと認識して、わからなければ質問をするようにしてください。
そして、そのサインの全責任は、自分にあるのだと、オーナーシップを持つようにすべきです。