Midtown Report

ビジネスと人間に関する発見と考察 from Los Angeles & New York

February 2007

今回のLA行きは、非常に短く感じられました。
またまたRed Eyeで11:00PMの飛行機に乗り、翌朝の7:00にNY到着です。
やはり、足を運べば運ぶほど、ロジスティクスがスムーズになるため、時間を感じなくなるのかもしれません。

NYCに帰ると、一足先にNY入りしていたYOHEIさんと会うことに。

彼は、Los Angeles Infoという会社をLAで起業していて、年齢も同年代。非常に刺激になります。
つい先日、日曜日にお会いしているのですが、NYに拠点を広げたいという意図があり、彼がオフィスを探していると言うことで、私の場所を紹介しました。

私も、起業家の会を主催しており、それなりに各分野の専門家を知っていたりするので、彼のビジネスにとって役に立ちそうな人やコラボレーションができそうな人と会わせたいという思いがあります。その日は、2人ほど紹介しました。

夜は溜まっていた仕事を一気呵成に…と行きたいところでしたが、Red Eyeの疲れが体を鉛のようにします。

机の上で撃沈しました…。

昨日のことですが、アメリカで全米展開しているニューヨーク式デリのフランチャイズ店を日本で展開したい、という日系アメリカ人K氏と会いました。

K氏は、アメリカ企業の日本進出を手助けする私の友人S氏の会社にコンタクトをとり、日本進出のための資金調達をしたい、資金調達ができた際には報酬を分ける、という条件を出してきたのです。その報酬の金額が非常に大きいため、我々ははじめから不信感を持っていましたが、とりあえず会ってみることにしました。

彼がLAを拠点にしているため、S氏の友人である私が、彼の代理人となって、今回K氏と話をしてきました。

彼がミーティング場所に指定してきたのは、TorranceのHawthorne Ave沿いのHilton Hotelの喫茶店。

彼は、これに先立って、フランチャイズの資料を多数送ってきていました。
私は目を通していましたが、デリという形態が日本で売れるのかどうか、極めて疑わしいと思っていました。また、不信感はフランチャイズに対してだけではなく、このK氏という人物に対しても向けられていました。資金調達をするには、まずお金を集める人間に、相当の信用がなければなりません。

K氏と会って、話を一通り聞き、私は質問をしました。

「なぜ、日本人はMcDonaldではなく、Subwayでもなく、このデリに足を運ばなければならないのか」「このデリが他のレストランと異なり、際立って優秀な点は何なのか」「日本人に訴えかけるようなマーケティングのメッセージを、簡潔に1、2文で表現することはできるのか」等々、ごく基本的なマーケティング上の質問を行ったのですが、得られた返事は「それは、日本で優秀なパートナーを見つけることで解決する」「お前の会社にそこら辺のところを考えてもらいたい。お前はどう思う?」などといわれ、段々あきれて、笑いがこぼれてしまいました。

何かを立ち上げて、広めようとする人物が、インスピレーションも何もなく、他人のふんどしに乗っかってお金だけ得ようとするのは言語道断です。
この資金調達の報酬は極めて大きく、魅力的なものでしたが、情熱や理念がなく、お金を集めるだけの話に聞こえてきました。

こういう話には、絶対に手をつけてはならない、というのがビジネス界の普遍の真理だと思います。丁重に(しかしどちらかというとobnoxiousに)断り、ホテルを後にしました。

以前、Los Angelesに来たときに知り合った、頭のメチャクチャ切れる"うぃる B"さんという方のお知り合いで、昨日上奥さんと言う方とお会いしました(ウェブ上に載っていたので、本名で出させて頂きました・お許しください)。

この方は、現在は全研で留学事業部のGeneral Managerを務められている方で、以前このブログ上でもご紹介した米国大学奨学金プログラムの発展にご尽力されています。

彼の行っていること・私の行っていることには共通点があります。
それは「日本人が、一般的に高いと思われているアメリカの大学に安く入る」という可能性です。

このビジョンを共有しているため、初めて会うのに初めて会った気が全くしませんでした。不思議なものですね。
話を伺うと、すぐに一緒に何かができそうだというわけではなかったものの、長い期間で考えて、いろいろな可能性はありそうだという認識で一致。

もっと日本から優秀な人間が高校卒業と同時に留学していいんじゃないか、Ivy Leagueに入るには、小さい頃からそういった機関に向けて教育しなければなかなか入ることは難しい、という結論(?)でまとまりました。
今後も有意義な情報交換を続けて、何か一緒にできれば良いなぁと思ったのでした。

ロサンゼルスの冬は、空気が冷たいものの、陽が上ると途端に暖かくなります。
太陽がいなくなると、急に冷え込みます。
本日も良い天気です。

本日は、"レストラン経営セミナー"の日。
わが常石保険は、最後のパートを任されました。
内容は、"Coverage Gap"について。必要補償と、実際の契約内容に生じる齟齬について話しました。

約50人くらいでしょうか、多くの方が所狭しと座っています。他の人のパートがかなりの時間オーバーになってしまったので、私は手短に講義を終えました。

講義を行う会社・人のテーマ性がバラバラであったため、参加者にとって、ビジネスに直結するような内容であったかどうかは疑問ですが、各分野の専門家がこうして集まり、意見や名刺交換などをする意味では、非常に良い会だったのではないかと思います。

私も、「名前は知っていたが、お会いしたことのない方」に6人ほど出会いました。
多くの良い出会いがあった、楽しい日曜の昼下がりです。


今日は、朝から4回のアポイントメントを行いました。
それなりに疲れはありますが、人に会ったり話をしたりすることは、緊張感を維持する上で大変良いです。

夜になり、明日の"レストラン経営セミナー"の準備を行います。
15分足らずの内容の中で、要点を絞って解説するのは困難と見た私は、事例の紹介を行うにとどめました。

しかし、資料を作るのに思ったより時間をかけてしまいました。
資料が終わると、プレゼンの練習を1人で行います。
会議室にこもって、聴衆をイメージしながら、1時間くらい練習を行いました。
ここら辺はいつも億劫になりそうなところで、一番大事なところです。

夜11時くらいまで会議室にこもっていましたが、NY時刻では午前2時であることもあり、クラクラしてきます。宿へ戻ると、泥のように眠ったのでした。

昨年の11月から数えて4回目のカリフォルニア出張です。
今回は、学費セミナーは行いませんが、前回から予定していたアポイントメントがたくさん詰まっています。

私はDelta航空を2年前に初めて利用して、パソコンを盗まれるということを経験していたので、Deltaを毛嫌いしていました。しかし、時間帯が便利なので、仕方なくDeltaばかり利用してきました。最近では、やっとDeltaもなかなか悪くないのではないかと思いはじめています。

最初にパソコンを盗まれたときには、「Deltaはダメ」と思い込み、周りにもそう吹聴して回っていたのですが、頭ごなしに100%ダメだと決め付けることは逆に不自然です。

最初に抱いてしまったイメージを覆すのは大変難しいので、このイメージが元通りになるまでに4回のフライトという期間を要してしまいました。先入観と言うのは、恐ろしいものです。

思えば、「○○はダメ」と完全否定する自分にたまに気づいたりしますが、個人的かつ一時的な感情に基づくものがいかに多いか、反省させられます。

昔のボスが、"Iwo JimaのMovieを見たよ"と電話をかけてきました。

このユダヤ系アメリカ人のボスは、私が以前にこの映画の話をした時に「Iwo Jimaは知ってるよ。原爆が落ちたところだろ」と言っていました。

「それは、Hiroshimaなんですけど…」と訂正したのは言うまでもありませんが、この人がこの映画を見るとは思っていなかったので、感想を楽しみにしていました。

「すごくいい映画だった。でも、一つ質問があるんだけど、何人かの兵士が、戦わないで自殺したシーンがあっただろ。あれは、実際にそんなことが起きたのかな。まぁ、ハリウッド映画だから、誇張はあるんだろうけどな。演出が過ぎると冷めるよ」

こういう感想が来るとは思っていなかったので、自分は意外に思いました。
確かに、戦わないで自害するのは、おかしいことなんだなぁ、と。
でも、日本人は、戦国時代の昔から、栄誉ある死として、切腹をしたりしているので、日本人にとってはそこまで不自然な光景ではない、ということを説明しました。

多くのアメリカ人にとって、あの状況での合理的な行動は、おそらく「降伏」でしょう。とはいえ、死ぬまで勇敢に戦う、ということにもある程度理解を置くことはできるようです。"Kamikaze"のようなマネはしたくないし、できないが、他の国の人間が執念でやっているのを理解し、敬服することはできるようです。

唯一理解できないのは、戦わず、降伏もせず、敵にも迷惑かけずに自決してしまう、ということ。

自分の手で自分の命を絶つのが美しいのか、結論はありませんが、すくなくとも日本人特有の美の形式なんですね。

もっとも、私は迷わず「降伏」を選びますが。

アメ★ドリ主催のセミナーに行ってきました。
F-1ビザから起業するというテーマです。

http://www.igyoshu.com/seminar/index.htm

講師は、木田俊彦さん。
Johnman USAという会社を創業し、NYとLAでカラオケのお店を6店舗展開されています。
Karaokeが米国に知れ渡って、一時期ブームになり、その後下火になったそうなのですが、今新たにKaraoke文化をアメリカ人に根付くものとして普及させようと尽力されています。

木田さんとは盛和塾NYの入塾の際にいろいろとお世話になっておりましたが、ぜひ一度起業時のお話をお伺いしたいと思っていたので、ちょうど良い機会となりました。

すでにビジネスに全開でとりくんでいらっしゃる方の起業ストーリーはいつも刺激になります。
想像していた以上に面白い話ばかりで、現在のビジネスモデルを築くために大変な苦労をされてきたことが伺えました。

やってみないとわからない、自分から遠い他者のために利他心を持って努力する、等々普段自分が知っていると思い込んでいるようなことも、実際にビジネスを築き上げてこられた方がおっしゃると、説得力が違います。大きな刺激となりました。

アメリカ人でもカラオケBOXで歌う形式が浸透すれば、木田さんの事業も飛躍的に成長するものと思われます。今後ともパワフルに事業を成長させ、優秀な日本人経営者として多くのアメリカ人に知られるようになる日も近いのではないかと思います。

最近、昼ご飯に、近所のSubwayを利用しています。

Subwayと言っても、サンドイッチの方です。
昔は、サンドの中に入れるものをアメリカ人が細かく指定しているのを見て、「あんな恥ずかしいマネはできない」などと思っていました。
今ではしっかり、「レタス、トマト、ピクルス、オリーブ、あとドレッシングはスウィートオニオンで」などと指示を出している自分がいます。

Subwayで、従業員がサンドイッチを作っているとき、その様子を見ていると目が釘付けになります。段々出来上がっていく過程が見られる、というのは楽しいものですね。

パストラミという、牛肉の細切れのようなものがたっぷり詰まったJewishなサンドイッチがあるのですが、これもなかなかおいしいです。ニューヨークに来た方はおすすめです。

この前、損保代理店の社長と電話で話をしていました。
私は、いつもセミナーを行うときに会議室を使わせてもらっているので、お礼を言いました。

「そっちにとっては小さいことかもしれないけど、自分のような者がああいうセミナーに適したスペースを知らない土地で探そうと思ったら、本当に大変なんだ。それをタダで貸してくれるだけではなくて、お菓子や飲み物まで用意してくれて、作業スペースも設けてくれるなんて、本当にいつもありがたいと思っている。感謝してます」というようなことを言うと(タメ口ですが実際は英語です)、社長は

「いやいや、大歓迎だよ。Jimmyにはこちらのマーケティングも助けてもらってるし、ありがたいと思ってるよ」

私は、自分がいつも厚遇を受けているような気がして逆に不公平なのではないか、迷惑をかけているのではないかと思っていたので、この社長の言葉は意外で、かつうれしいものでした。


この会話の後ふと思ったのですが、組織や社会の一人一人が、「自分は与えられすぎだ」「もっと返さないと」と、雇用契約を超えて、お互いに考えている社会は、とても豊かだなぁ、ということです。

逆に、「自分はいつも奪われている」「もっと他人から奪ってやらないと」と人々がお互いに考えている組織・社会は非常に不幸だと思います。
会社組織が全て前者のようになるのは難しいのでしょうが、これはこれで一つの理想形だと思います。

社長は社員の仕事の成果に感謝するし、社員は会社からもらう給料や、仕事の喜びに感謝する。こんな好循環が作れれば、すばらしいものですね。

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