Midtown Report

ビジネスと人間に関する発見と考察 from Los Angeles & New York

November 2006

就職活動では、「やりたいことをみつけろ」なんていわれますが、やりたいことなんて大学を卒業した時点で明確に持ってる人は、どのくらいいるのでしょうか。

東京にいた頃、頻繁に就職活動のアドバイスを求められていましたが、そのたびに、後輩に「やりたいことは何なの?」などと、アホな質問をしていたように思います。

今では「やりたいこと」は虚像に過ぎない、と思うんです。

「すでに○○を今やっていて、おもしろくて、そのレベルを一歩上げたい」というのならわかるのですが、やったこともないものを「○○をやってみたい」というのは、聞く側としても、どうもピンとこないんですね。オーストラリア旅行に行って、スカイダイビングをしてみたい、と言っているのとあまり変わらないような気がするんです。

例えば貿易の仕事について、「世界を股にかけた企業間取引を仲介できるようになりたい」などと言う人がいますが、実際の仕事内容は、電話をかけたりExcel表を作って発表したりすることだったりします。そこには、期待していた喜びが意外とない場合も多いでしょう。

今、就職活動中の学生にアドバイスを求められるとしたら、「今夢中になっているものは何か」から入って、なぜそれが好きなのかを根本的に突き詰めることから入りたいです。
まぁ、最終的には、何でもいいから仕事があるだけありがたいと思って、目の前の作業を好きになって、とでも言うかもしれません…。

個人的に非営利プロジェクトを始動させます。

そのプロジェクト名は、"college outside the box"。

このプロジェクトの目的は、日本の高校生にアメリカのFinancial Aid(奨学金、補助金など)情報を与えることで、「金銭的にアメリカの大学に行くことができない」と思っている若き頭脳に、機会を広げてもらうことです。

たとえば、ハーバード大学。
ハーバード大学では、家庭の年収が6万ドル以下である場合に、学費を全て免除(Aidを全額支給)するというポリシーがあります。

ほとんどの日本人が知らないのは、このルールは、アメリカの学生だけでなく、International Students、つまり留学生に対しても適用されるということなのです。
多くの人が、アメリカの私立大学は高いから、という理由で、行くことを考えもしません。

しかし、このAid情報を知るだけでも、「自分も実力さえあれば、学費をほとんど支払わずにハーバードにいけるかも」と可能性を広げてくれる人がいるかもしれません。そう考えると、私自身非常にワクワクします。

アメリカで、留学生に対してFinancial Aidを出す大学というのは、以外と多いのです。その情報を日本語で参照できるサイトを作れればと考えています。

目標としては、来年の2月ごろまでに、アメリカの大学から支給される、留学生対象のFinancial Aidに関する情報サイトを作り、少なくとも30大学について、申請の基準や方法について日本語で解説することです。

私はFinancial Aidの情報をアメリカ在住の邦人に対して提供していますが、留学生は自分のビジネスにならない、という理由で対象外にしていました。
しかし、解決策が多少でもありそうなのにあえてタッチしてこなかったことで、可能性を閉ざしてしまった学生がいたかと思うと、大変心苦しいのです。
したがって、このプロジェクトは自ビジネスの範囲外で、これまでの知識は生かしながらも、はじめから非営利で行おうと考えています。
サービスを提供することはないでしょうが、有益な情報を少しでも多く提供できればと思っています。

しかしながら、私1人の力では力不足も感じます。
したがって、いずれは協力者を募りたいと考えています。

現在、下準備をしているので、またこのブログでも進展があったら報告しようと考えています。

深夜に、42nd StのAMC Empire 25で映画を見てきました。

The Departed

監督がマーティン・スコセッシだったことと、私の好きな俳優(マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバーグ、マーティン・シーン)が多数出ていたことから、以前から注目していました。

以下、話の内容を楽しみを失わない程度に紹介します。

話の内容は、マフィアからのスパイが1人警察にもぐりこんでいて、警察からのスパイが1人マフィアにもぐりこんでいる、という設定です。

マフィアから警察へのスパイをマット・デイモン、警察からマフィアへのスパイをレオナルド・ディカプリオが演じます。共に、その存在を探り合うドキドキ感は、今までのマフィア映画にはない緊張感があります。
ディカプリオがいい味を出していて、彼のファンでない私も、途中から「がんばれレオ!」と応援してしまいました。

話の途中で「ああ、大体こんな感じに終わるんだろうなぁ」と考えてしまうのですが、期待は完全に裏切られます。
話の後半であまりにビックリする出来事が起きてしまい、劇場はどよめきで騒然としてしまいました…。


しかし、これだけの豪華俳優の共演はやはりすばらしい!
それぞれの人物描写が最高に魅力的で、ウィットに富んだセリフが楽しい映画です。
これはシリアスなマフィア映画というよりも、コーエン兄弟の映画のような「この人達は本当にどうしようもないなぁ」と思わせるような喜劇に近いです。

まぁ「良い」映画かどうかは別として…純粋に楽しめる映画です。
おすすめです。

The Island


マイケル・ベイ監督作品です。
この監督の作る映画(過去作品は"ザ・ロック""アルマゲドン""パール・ハーバー"など)は、常に「ハリウッド映画の中のハリウッド映画」という感じです。わかりやすいプロットと、興奮を途切れさせないカット、ど派手なアクション、美男・美女の人気俳優の起用という、ハリウッド映画成功の方程式のようなものを作り上げています。

この映画自体は、クローン人間が題材となっていますが、「クローン技術の是非」についての示唆が得られるようなことは全くありません。
また、人物描写にも深みがありません。出てくるキャラクターは、いいヤツか、わるいヤツかのどっちかです。

単純に、アクションを楽しむ、というのが正統な楽しみ方です。

あと、「そこはいくらなんでも捕まっちゃうだろう」とか、「あれ、何でそこで都合よくそうなっちゃうの?」など、細かく見ていると突っ込みどころは満載なのですが、そこは考えるだけムダで、娯楽だと思って細かいところは見逃すのが、彼の作品の楽しみ方です。

ビジネス的に見ると、アートとしての高みよりも、「映画の商業的な成績を追求するとどんな映画ができあがるか」、という意味で非常に勉強になるところがあります。

プロットとしての特徴は、バイオレンス、ラブロマンス、自由への渇望、善と悪の戦い(そして善が必ず勝つ)といったハリウッド映画のヒット要素が適度に織り込まれていることです。
観客の「こうなってほしい」という要望に全て応えてくれますが、逆に先が見えてしまうと、派手なアクションも退屈になってしまうのが難点です。

監督の遊び心なのか、過去の名作映画のモチーフをそのまま利用したのではないかと思われるシーンがあります。
かなり確信犯的に用いているのではないかと思います。

時計じかけのオレンジ - 目をこじあけての洗脳シーン
マトリックス - 人が液体セルに閉じ込められて培養されているシーン
カッコーの巣の上で - 途中で一瞬流れるBGMと皆が着ている白い服
マイノリティ・レポート - 机上でのウィンドウ操作シーン
iRobot - スーパーカーでのカーチェイス

こうした仕掛けによって、ヒット作品を狂いなく生み出すのは、ビジネスマンとしては見事としか言いようがありません。
私は、最初から最後まで純粋に楽しめました!


この映画では、いわゆる"Product Placement"が多数使われています。
要するに、映画の中に、スポンサーの商品を映画のコンテクストの中に配置して、広告効果を狙うものです。私が発見しただけでも、以下のようなものがあります。

Microsoft - XBox360のバーチャルゲーム機で男女の2人が対戦
Microsoft - MSN Searchと書かれた電話BOXで2人が電話
GM (Cadillac) - 男が運転することになるスーパーカー
GM (Hummer) - 高速道路で吹っ飛ぶ車
Calvin Klein - 女がモデルをしているブランド
Ben & Jerry - 女が売るアイス

現在、いろいろな映画やドラマで、こうしたProduct Placementを見ることができます。

マイケル・ベイ監督、次回作にも期待ですね。

デトロイトを経由し、本日昼頃、JFK空港に到着しました。

そういえば、カリフォルニアのスーパーで、面白いカードを見つけました。
何が書いてあるかと言うと、

"Work-a-holics!"
"Thank God it's Monday!"

「やった、月曜日だ!」とうれしそうに電話をしている男性が描いてあります。仕事中毒を揶揄したものですが、自分はけっこう共感してしまい、笑ってしまいました。

日本電産の永守重信社長の本に、「ビジネスマンは、日曜の夜にワクワクしなければならない」といったようなことが書いてありました。
仕事が月曜から始まるのが楽しみで楽しみでしょうがない、という状態でなければウソだ、ということです。この考え方には、かなりの部分同意します。

確かに、週の時間の大部分を占める仕事の時間を、自分が楽しみでワクワクできないようなことで時間をつぶすのは本当にもったいないことだとは思います。人生の時間の無駄遣いのような気がします。

小学生の時、担任の先生が、宝くじの話をしたことがあります。
「先生に1億円当たったら、仕事やめて南の島で過ごすよ」と言い、クラスは笑い声で包まれたのですが、私は暗澹たる気持ちになっていました。

「お金があったらやめちゃうような仕事なんだ、先生って」と純粋に思ったのです。


今、例えば「1億円もらったら、今の仕事をやめる」という人がいたとすれば、それは大変可哀相なことです。なぜなら、その仕事はお金のためだけにやっているわけです。1億円をもらわない限りは、自分の貴重な時間を、精神的に実りのないその仕事に捧げ続けるわけです。

もちろん、お金は一つの目的なので、それを否定することはできません。しかし、仕事の本当の醍醐味を味わっていないとすれば、それは大変残念なことです。

自分が刺激を感じることを精一杯行い、他者や社会への貢献に生きる価値を見出しながら仕事を行っている人間もたくさんいることも事実です。自分は、少なくともそういった仕事が現在できていることに感謝しています。

カリフォルニア滞在最終日です。

この日は、オフィスの仲間に「ビーチでも行ってきたら」といわれたので、車を走らせていくことにしました。

オフィスから15分くらいのところにあるRedondo Beachというビーチに行き、かもめやペリカンとたわむれてきました。



砂浜の匂い、波の音、かもめの鳴き声などを五感で感じると、癒されていくのがわかります。こういう気分転換めいたものは侮っていましたが、けっこう良いものです。

最終日のセミナーは、10名参加。
先週からの合計参加者は、これで58名となりました。

最終回は、参加者の方々に大いに盛り上げていただきました。
「この情報をもっとこちらで広めてほしい」「全然知らなかったことが明らかになって、可能性が広がった」「これからもがんばってください」などと、様々なフィードバックを、セミナーの最後にいただきました。
直接言葉を返していただけるというのは、大変ありがたいことです。参加者の皆様、大変ありがとうございます。

夜、LAX空港に向かう車の中で、この一週間での出来事が思い出され、新たな活力が沸いてくるのを感じました。Los Angelesは、今後とも拠点のひとつとしたいと思います。

今回、LAで予想以上の需要の大きさを目の当たりにすることになりました。
コスト的な問題があるので、どのような形態になるかは分かりませんが、とりあえず今後はNYCとLAの両方にベースを置いて活動することになると思います。NYCに戻ったら、今後の計画を立てようと思います。

気づいてみると、Torrance滞在も5日目。

本日は、アポイントメントを何件かこなしてから、夜7時に第5回目のセミナーを開催。
私の道案内が悪いせいで、遅く着いてしまった方がいらっしゃいました。
やはり慣れない場所での道案内は、できるはずもなく、事前にもっときちんと調べておくべきでした…大変もうしわけないことです。

こちらに来てから休みなく多くの人に会って緊張状態が続いていることもあり、段々と疲弊してくるのを感じてきました。このペースを続けるのは、ビジネスマンとしてありがたいことだし、願ってもない成長の機会ですが、さすがに疲弊してくるのを感じました。

帰りは、新撰組という博多ラーメンの店に寄り、宿泊場所へ帰宅。
泥のように眠りにつきました。

現在滞在しているTorrance / Gardenaという地域は、非常に日系人・日本人が多いことで有名です。
ここまで、日本人が広範に渡ってコミュニティを形成している地域も珍しいのではないでしょうか。

この地域では、戦前から、多くの日本人がカリフォルニアに移住してきたのです。
なので、日系人・日本人がたくさんいるのですが、その種類も多様です。

日本語を話す2世、3世、日本語を話さない3、4、5世の世代の日系人もいます。
日本語をどれだけ話すかは、それぞれの家族の方針によるところが大きいようです。
日系人社会に根をおろして生活する人もいますし、日系人社会という意識を特にもたずに社会に出る人もいます。

以前山崎豊子の二つの祖国という小説を読んだことがあります(非常におもしろいです)。
そこでは、Los Angelesの日系人社会が舞台になっています。

私は生まれがアメリカですが、教育は日本で受けたので"帰米2世"とでも呼ばれるのでしょうか("2つの祖国"の主人公は鹿児島で教育を受けてカリフォルニアに戻ってきた"帰米2世"です)。私の場合母国語は日本語なので、1.3世くらいと呼ばれるのがちょうどいいかもしれません。

常石保険のオフィスにいても、従業員はほとんど全て日系人・日本人ですが、バックグラウンドはバラバラ。中には、ペルー出身の日本人(沖縄系)で、スペイン語が母国語という人もいます。彼は日本語、英語も問題なく話します。

そういえば、私がオフィスで仲良くしている韓国系カナダ人も、アルゼンチン出身なのでスペイン語が母国語でした。

↑たぶん、こういった記述をすると、「どんな人なんだろう?」と想像もつかないと思うんですね。彼ら自身も、「自分は一体何者なのか?」という質問に明確な答えを出せないようです。

日系人の中でも、自分の起源が日本だからと日本に行き、そこで直面したのは閉塞的な社会で、居場所がなくなったためアメリカに来た、と言う話は本当によく聞きます。

アメリカの良いところは、どこで生まれ、どんなバックグラウンドであっても、その人をあくまで「1人の人間」として扱うということでしょうか。
もちろん、現在でもいろいろな形での差別はあるでしょうが、少なくとも、人を受け容れる許容範囲はものすごく広いですし、自分の居場所を確実に確保できるという意味では、良いところなのではないかと思います。

セミナー2日目。

今日は午後2回行ったのですが、いずれも満員。
しかも、事前に行ったプレスリリースのおかげで、後から追加予約が続々入ってきていて、現在のセミナーの合計参加人数は56人とまでなりました。

今日は、平常心と言う意味では、良くできたのではと思います。良いフィードバックも受け、ある程度満足する結果となりました。

しかし、このセミナーは何度となく行っていますが、同じ内容を何回やっても、そのたびに気づかされることや、反省点がたくさん出てきます。

昨日、今日と行ってハッと気づいたのは、自分の口癖。

私は、自分が繰り返し「基本的に」という言葉を使っていることに気づきました。
たぶん昨日は1セミナーあたり50回くらい使っていたのではないかと思います。
「他人は全員分かっているのに、自分だけが知らない」という状況はとても痛いですね…。他にもこういうのはたくさんあるんだと思います。

「基本的に」という言葉をたくさん使っていた背景には、カリフォルニアの細かい大学事情を知らない自分の知識不足を隠すために、一般的な情報・傾向を伝えるセミナーであることを強調しようという意図がどこかにあったのかもしれません。それとも、普段から「基本的に」を使うことで、面倒な具体的説明を避けている自分がいるのかもしれません。
それは別に悪いわけでもないと思うのですが、もっと大学の個別事情を知ったり、具体的な説明ができるようになれる可能性に気づきました。

「自分が○○である」ということを言えるうちはまだ、「○○でない自分」という選択肢も出てくるのですが、その○○が何であるかもわからない、つまり自分が○○そのものであって、それに自分が気づいていないと、新しい可能性を創ることはできないように思えます。

そういう意味では、こうして自分の状態に気づかされるという機会があるというのは大変重要なことのように思います。やはり、こういった機会は他者との積極的な交流なしには、得られないのではないかと思っています。

時差ボケの影響か、朝の4時に起きてしまい、何もすることがないので、オフィスに向かいました。一応、付け加えておきますが、カリフォルニアとニューヨークでは3時間の時差があるのです。

資料を準備し、セミナーに備えます。
常石保険の社長にふんだんにサプライを提供してもらったおかげで、非常に居心地の良いセッティングとなりました。
クッキー、コーヒーなどを提供したのですが、ニューヨークでこういったことをしたことがないので、少し反省してしまいました。

朝の会は10時半からはじまったのですが、ここはやはりホームグラウンドではないので、かなり緊張してしまいました…。
2時からの会は、遅い告知だったこともあり、参加者は少なく4人。しかし、少ない会というのは、参加者の方が盛り上げてくれる、という特徴があります。
非常に楽しく充実した会となりました。

全体を通しての反省は、やはり自然体を意識し過ぎて、自然体になれなかったこと。
「平常心でいよう」という意図や欲が入った瞬間に、平常心でいられなくなるという、あれです。

こういう時というのは、たいていの場合、頭の裏で利己的な思考が働いていることが多いものです。「自分をよく見せよう」とか、「お客さんになってくれる人がたくさんいたらいいな」と考えていると、たちまちこういった不安が出てくるのです。

しかし、「なぜこんなセミナーをやっているのか」というそもそもの目的にフォーカスをあて、「この情報を届けることで、助かる家庭がいる」という部分に思考のベクトルを向けると、自然と落ち着いてきます。明日は、このことを思い出してやろうと思います。

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