Midtown Report

ビジネスと人間に関する発見と考察 from Los Angeles & New York

September 2006

2年前の大統領選で、コメディアンのJon StewartがCNNの討論番組・Crossfireに出演し、司会者を正面からコキおろしたという話を聞いたことがありましたが、ABCニュースで紹介されていたので、今回初めてその映像を見ることができました。

Jon Stewart on Crossfire 1

Jon Stewart on Crossfire 2

「以前から、いろいろな人にこの番組は悪いということを言ってきた」
「この番組は、アメリカを傷つけている」
「あなた方は、建設な議論に対する責任があるのに、見事に失敗した」

最初は司会者・観客も含めて、またいつもの冗談かと笑っているのですが、普段のJonとは違い、笑みを浮かべずに語っているうちに、次第に司会者側も神経を逆撫でされていく様子がよくわかります。

このCrossfireという番組は、時事問題に関して、左(民主党 = Democrats)と、右(共和党 = Republican)に分かれて、意見を戦わせるというものです。
Jonは、この意見のぶつかり合いが、「対立のための対立」「ケンカのためのケンカ」であるとし、建設的な議論が一切生まれていない、ということを糾弾しているのです。その結果、この番組自体が、民衆ではなく、政治家や大組織を助ける手先と化しており、大手のネットワークがこのような茶番劇を行うことは、アメリカを傷つけているだけだと言っています。

コメディアンとして、政治家に答えにくい質問を直接ぶつけ、政治家としての建前を崩し、人間としての素の意見を吐き出させようということをしてきたJonですから、「もう痛々しくて、我慢できない」というのもうなずけます。



Jon Stewartは"The Daily Show with Jon Stewart"という、人気番組をホストしています。
私も、日本にいた頃英語の勉強がてら見ていましたが、面白い番組です。

政治家が、人々が常識的に考えておかしいことをいかに雄弁に語っているかを、皮肉を込めて厳しく追及します。機会があれば、ぜひご覧あれ。

最近Googleにハマっている私ですが、さらに驚愕のソフトがありました。

Google Spreadsheet

一見、普通の表計算ソフトです。
表計算ソフトといえば、MicrosoftのExcelがほぼデファクト・スタンダートだと思います。

私は前の会社に勤務していた頃は、財務分析やデータ処理で死ぬほどExcelを使ってきたので、ショートカットキーや計算式などが指にこびりついています。

したがって、GoogleがSpreadsheetのソフトを出したといっても、大して気にもとめていませんでした。今さら、他社のものを使う気になりません。

しかしながら、カレンダーのシェア機能を気に入った私は、「表計算もシェアできるのでは?」と思い立ち、覗いてみると、やはりシェア機能が実装している様子。

早速、友人のビジネスの対投資効果をはかるための表を作成し、シェアをしてみました。

そうすると、驚くことに、こちらで表をアップデートした瞬間に、友人の画面でリアルタイムに表が更新されるのです。
こんなシェアリングは、今まで見たことがありませんでしたので、私は大きな衝撃を受けました。

さらに、操作性の面からいっても、Excelでのショートカットキーをある程度踏襲していたり、インターフェースには一目で理解できる機能ボタンがついていて、Excel表を作るのとほぼ同じ感覚で表を作ることができました。

正直、多くの機能においてまだまだExcelには及ばないとは思いますが、シェアリングする上では全く問題ない充実度で、用途によっては私も使用していくことを心に決めました。何しろ、ウェブ上にそのまま保存されるので、ファイル管理が楽という面もあります。



Googleのソフトを使っていると、何かこう、「全てお見通し」という印象を受けます。何をやるにしても、自分の考えていることが見透かされていて、それを先回りして機能を用意してくれているような印象をいつも受けるんです。

Googleのサービス自体は、Adwords以外ほとんど全て無料なのに、ここまでソフトウェアの微細な機能一つ一つにまでサービス精神がいきわたっていることに対しては、感嘆せざるを得ません。

こういった一流の芸に触れると、私自身の提供しているサービスレベルについて、猛省させられます。果たして、ここまで「かゆいところに手が届く」ようなものが提供できているのか…お客様が場面場面で感じる不安な気持ちなどに、全て対応できているのか…そう考えると、様々な改善ポイントが思い浮かんできました。

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Gmailはすごい…このGoogleという会社には、毎度のことながら脱帽させられます。

Gmailアカウントを持っていない人は、すぐに作られることをお勧めします。

http://mail.google.com/

たとえば、Yahoo.comやHotmailでアカウントをお持ちの方は、文字化けした経験をお持ちではないでしょうか。また、文章を作成しようとすると、勝手にHTML形式の書式が立ち上がったり、設定にいちいち時間がかかったり、面倒なことが多いのです。

こういう経験から、Webメールを使用せず、ローカルでOutlookを使用する、と言う方は、わりと多いのではないかと思います。
しかしながら、ローカルで一つ一つメールをダウンロードすると、容量を食ってしまったり、他のパソコンで過去のメールを見られなかったり、また周期的にバックアップをとらなければならない等、面倒も多いのが事実です。

このGmailは、使ってみれば分かると思いますが、操作性が群を抜いています。
感覚的にわかる操作性能と、クリックしてから動作が完了するまでのレスポンス時間が非常に短いのがわかります。

また、文字化けが一切ありません。
今までの苦労は何だったのかと思うほど見事なくらい、一切文字化けが発生しないのです。

そして、極めつけは、"Label"という考え方。

普通は、メールの管理というのは、フォルダごとに行います。
私も、今まではOutlookのフォルダに、階層を作っていました。
例えば、"Business"フォルダの下に、"Client""Prospect"や"Supplier"といったフォルダを設けて、それに該当するメールが来て、案件が完了するたびに、それぞれのフォルダに移動させるのです。

ところがこのフォルダの階層的管理には限界があって、例えば一つのメールに対して2つの属性がある場合には、途端に管理がしにくくなってきます。

たとえば、取引先と、ある金融商品についての情報交換をしたとしましょう。
それを、"Supplier"というフォルダに入れるのか、"Financial Products"というフォルダに入れるのかは、悩ましいものです。こういった状況は毎日のように発生します。どちらかに入れたとしても、後からそれをさかのぼって見つけるのは大変なものです。

しかしながら、Gmailの"Label"機能では、一つのメールに対して、複数の属性を割り当てることができます。先ほどの例で言うと、取引先とのメールに、"Supplier"と"Financial Products"という2つのLabelをつけることが可能なのです。
Labelごとに、架空のフォルダが設けられているので、そこに行けば、どちらからでもそのメールを参照することができます。

このことに気づいてから、私は全てのemailアドレスをGmail上で管理することに決めました。全てのeメールアドレスをGmailアカウントに転送させ、Gmail上から送るときには送り元のメールアドレスをそれぞれのアカウントに指定するのです。

たとえば、...@yahoo.co.jpのメールも、登録さえすれば、このGmail上から出すことが可能です。


もうGmailをいじるのが楽しくて楽しくて仕方ありません…。

今日は、昨日まですんでいたアパートに敷金を受け取りに行く日。

1ヶ月近くの間、私は大家さんに避けられているような気がしていましたが、今日は正面から対峙することになります。
私の唯一の不安はやはり敷金がきちんと戻ってくるかということ。
ニューヨークは法律が厳しいので、たいていの場合全額もどってきますが、面倒なことにならなければとヒヤヒヤしていました。

昨日の引越しと、本日仕事でミッドタウン中を文字通り駆け回っていたことにより、肉体は疲労困憊していました。そのためか、妙に気は落ち着いた状態で、何も考えずにアパートにたどりつきました。

大家さんは、意外にも機嫌よさそうに私を出迎え、彼女のリビングルームに私を通しました。私は、このリビングに入ったのはこれが初めてです。

非常に豪華な内装で、物はきれいに整理整頓されていました。

「こんなことになって、本当に残念だ。申し訳ないが、Aさんの影が残っているあんたをこのアパートに残すわけにはいかない。結局これが、あんたにとっても良かったと思う。新しいアパートもみつかって、今はハッピーだろ?」

「いや、別にハッピーか、アンハッピーかというのは特にないけど…受け入れて進まなくちゃどうしようもないことの一つだと思ってるよ。別にうらみは何もないし、むしろいろいろ気を遣ってくれたことには感謝してるから、それだけは覚えておいてほしい」

「…そうか。55年生きてきて、25年間大家をやっているが、あんなことをされたのは初めてだ。日本人でも何をするかわからない。今回のことは、私にもあんたにもいいレッスンだった」

「…はぁ」

いろいろと難癖をつけられるかと思っていた敷金は、全額がチェックに記入され、私に手渡されました。

「ビジネスがんばって。また会おう」

にこやかに挨拶をして、分かれました。


こんな変な会話したことないなぁ、と思いつつ、私はそのアパートを後にしました。

reborn その1

これは、個人的な出来事ではありませんが、長かった小泉政権が幕を下ろし、安倍内閣が発足しましたね。生まれ変わった政権に期待です。


reborn その2

「アパートを出て行け」といわれてから約一ヶ月…数週間前に見つけたミッドタウンのアパートに引越しを行いました。
今日から、新居にて、新しいスタートです。

朝から荷物の梱包と1階への運搬ですでに疲れきっていたのですが、午後からZipcarで借りたToyota Siennaでマンハッタン中を走り回り、友人の引越しも手伝いながら夜の11時ごろに引越し作業を完了しました。

移ってみれば、出て行けといわれたのが福音と思えるほど、新しい場所での、新しい可能性にワクワクします。

未開のダンボールに囲まれながら友人数人と祝杯をあげ、あまりの疲労により、ワイン数杯で意識を失いました。


reborn その3

そして、本日は私めの誕生日。
電話をしてきてくれた方、日本からメールを送ってくれた方、おいしいチョコをわざわざ新居まで持ってきてくれた仲良し2人組、ワインを買ってきてくださった方、おもいがけず多くの方に、いろいろな形でお祝いをいただきました。

自分の誕生日のためにわざわざ時間を割いてくれたということを、大変光栄に感じております。
みなさんに心から感謝します。
ありがとうございました。

今日から29歳、がんばります。

よく、掲示板で、フリーランスのライターや翻訳者などの募集をプロジェクトベースで見かけることがあると思うのですが、こういったフリーランスの人材と、企業で持っている仕事を結びつけるサイトがあります。

Elance

トップページのタブをご覧になれば、デザイン、プログラミング、ウェブサイト、ライティング、その他とカテゴリが分かれているのがわかります。
ここに、仕事を出す企業がプロジェクトを提示し、仕事を求める人・企業がそれに対しビッドをかける、という方式になっています。

ビッドのプロセス中に、ビッドする方・される方がコミュニケーションできます。
私の場合は、セールスレターを作成してくれるプロをここで探したのですが、やはり過去の実績が気になるので、過去に作ったサンプルを提出させました。

そこそこの良質のサービス・プロバイダーを、ビッド形式で雇うことができるので、文章作成やデザインなどの人材を求めていらっしゃる方は、一度使われてはいかがでしょうか。

こういったサイトは、Elanceだけではありません。以下のようなサイトも、同じような仕事・プロジェクト仲介の機能を持っています。

フリーランス
Guru.com
GET a Freelancer

コンサルタント
ework

翻訳者
PROZ
Translator's Cafe


アメリカはアウトソーシング先進国ですね。
オプションが山のようにあります。

今日は、ビジネスパートナーとスケジュールを共有しようということで、グループウェアを探しました。

グループウェアというのは、企業で使われているOutlookやLotus Notesなどの、ファイルやスケジュールの共有ソフトのことです。

中小企業向けには、日本だとサイボウズなどのソフトウェアが著名ですが、共有の規模があまりに小さいと、機能が多すぎることもあり、高くついてしまうんですね。

アメリカでもWebexのwebofficeというツールがあって使いやすそうだったのですが、有料であることもあり、ひるんでいました。

そこで、途方に暮れていろいろページを探っているうちに、たまたま見つけたのが、Google Calender

これをいじってみると、まずその操作性の良さと処理速度の早さに感激します。
そして、ここで作ったカレンダーを他人と共有できるのです。

早速やってみると、非常に簡単なのですいすいとアップデートを行い、あっという間に、2,3週間先まで予定でカレンダーを埋め尽くしてしまいました。

こういうWeb上のソフトではえてして使いにくさを感じるものですが、それはやはり更新に時間がかかるとイライラするからでしょう。
しかしながら、このWebツールはきわめてスムーズに動きます。

Googleの底力が表れた傑作です。使ってみてください。

私は日本のニュースを、主にウェブサイトで仕入れることが多いのですが、やはり頻繁に感じるのは、報道される情報の偏り。

たとえば、飲酒運転による交通事故の報道が頻繁になされています。
私は、これに対し「日本では悲惨な交通事故が増えているんだなぁ」という印象を受けました。

しかし、よくよく考えてみると、これは、あの3児が不幸にも亡くなった事件の余韻を引きずった便乗報道であるのではないかと思いました。

飲酒運転の事故が社会的にきわめて重要であるのは理解できるのですが、以前はほとんど報道されなかったような事故が、このような事故がおきてから初めてクローズアップされるということに対しては、多少の違和感を感じます。

統計を見ればわかるのですが、交通事故死亡者の数と言うのは、実は10年前からは減少の一途を辿っています。したがって、ニュースを見る限りでは増えているように見えても、実際には年々減っているのが、交通事故なのです。
通常であれば、誰かが飲酒運転で事故を起こしたということは、ニュースにもならないはずです。

悲惨な事故後に、視聴者の恐怖が新鮮な段階で、埋もれていたはずの事故のニュースを引っ張り出して流し、テレビ番組や新聞のキャッチに利用しようとする行為は、営利団体ならばどうしてもやらざるを得ないでしょう。

しかし、少なくとも、見る側としては、そういったバイアスがかかってるんだな、という気持ちで、話半分でニュースを見た方がいいように思いますね。

中学生の夏休み、「おもいっきりテレビ」というみのもんたの番組で、電話相談をよく見ていました。
あれは、不幸な人たちの話だからこそおもしろいと思うんです(たいていの場合、出演者のアドバイスでますます話がこじれますね)。

あのコーナーで、一度すばらしい高齢の方が電話をしてきた場面を見たことがあります(実は、あのコーナーは、必ずしも電話相談である必要はないのです)。
「私は本当に幸せだ。今までの人生にも、現在の生活にも、子供たちにも本当に感謝をしている」という、それはそれはすばらしい人生を歩んでこられた方からの電話だったんですね。

…問題は、(その方に敬意を払いつつも)その話自体はけっこうつまらなかった、ということなんです。
不謹慎なようですが、「私は幸福だ。全てうまくいっている」という話は、エンターテイメントとしては、さっぱりおもしろくないです。

どうも、人は不幸なニュースを次々と取り込んで、今自分がいる場所にOKを出す性質があるようで、だからメディアもネガティブな情報をどんどん麻薬のように与え続けているように見えます。

しかし、別にそれがダメだとか言うつもりもないし、これも悲観的に言っているわけではありません。そういったことを前提に考えると、自分や他人の行動の背景を理解して、より良い行動の選択ができるようになる、というのが自分としての意図です。

世の中には悪いニュースはたくさんありますし、それらをいくらでも知ることはできますが、別にそれら全てに付き合う必要はない、というのが私の考えです。

元ユダヤ人ボスから、明日がRosh Hashanaなので、パーティをやるからこないかと言われました。Rosh Hashanaというのは、ユダヤの新年です。

確か、昨年度は、そのホームパーティに参加させてもらいましたが、今年はスケジュールが合わず、参加しないことにしました。
彼が住んでいるところは、ロングアイランドNassau CountyのPlainviewという所で、ユダヤ系が人口の40%を占める地区です。

New Yorkは、世界の中でも、非常にユダヤ人が多い地区として有名です。以前にFiddler On The Roof(邦題:屋根の上のバイオリン弾き)というミュージカルを見たのですが、最後の方で、村の衆がロシア人に追われて散り散りなり、「僕はニューヨークに住んでいる親戚を訪ねるよ」といったくだりがあったように思います。

ユダヤの人たちも、宗派によって信仰の深さは違うようです。

NYCの通りを歩いていると、Orthodoxと言われる敬虔な方々が黒い装束に身をつつみながら帽子をかぶっていて、髭を生やしている様子をよく見かけます。
他には、扁平の帽子(というか飾り?)を頭につけている人も、たくさん目にします。

私の元ボスは、かなりアメリカナイズされてはいるものの、儀式や習慣等は形式どおりに行うユダヤ系のようです。ご飯をご馳走になる時は、いつも例の扁平帽子をみんなでかぶって歌を歌います。

私が接してきた印象では、家族の結びつきが強く、身内の輪の中に入ると100%信頼してやさしく、真摯に向き合ってくれますが、その輪の外の人たちに対しては、非常に大きな一線を引いているように思えます。

あまり「ユダヤ系だからこういう人たちだ」という結論を出しすぎるのもよくないとは思いますが、彼らの行動様式から学ぶことは大いにあると思うので、この交友関係は大事にしたいですね。

ひらまっちゃんラジオというPodcastの番組をとりはじめたのですが、これがなかなかに面白いです。

よく名経営者や社長の本、CDなどを買ったりするので、経験を積んだ社長の生の声がPodcastで聞けるというのはうれしいですね。

「ひらまっちゃん」というのは、ライブドアの現在の代表取締役社長の平松庚三氏のことです。番組は、インタビュー形式になっていて、キャスターはライブドアの動画ニュース番組をやっている山野明子さんです。

平松さんは、ソニーで働いていたそうですが、当時ソニーで活躍していた人は、メジャーリーグ級で、とてもかなわない、という風に思っていたそうです。そこで、自分が勝てる分野は何か、ということを戦略的に考えて、キャリアを今まで積んでこられたそうです。学ぶことがたくさんあります。

平松さんには今までの経験で蓄積された誠実さが声にも態度にも漂っているので、彼が社長であることは、Livedoor社の現在にとっては、この上なくハマリ役なのかもしれませんね。
こういった情報発信も、会社の信頼感を高める上で役に立つと思うので、一応援者としてぜひがんばってほしいです。

ポッドキャストの中には、プライベートのエピソードもいろいろ出てくるのですが、中でも笑ったのが、シーフードのカップヌードルの中に熱い牛乳を入れると、おいしいということ。

たしか、私も小学生の頃に、それをやると「カルボナーラになる」という話を聞いたことがあります。B級グルメってやつですよね…。

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